モクタチバナ

　アコウの巨樹（天然記念物）やサクラランの自生する野島神社の鳥居脇で、辺りにほのかな香りを漂わせ、びっしりと白っぽい小さな花を咲かせている老木を見かけました。

　大方の樹木の花期が終り、これほど多数の花を咲かせている木は珍しい時期です。
　あまり見かけない木でしたので、県総合博物館に照会したところ、モクタチバナと分かりました。

　モクタチバナは、高さ３～５ｍになる高木ですが、運良く、この木は、幹が横倒しに生えていましたので、間近で花も観察することができました。

　翌年の12月、同神社に立ち寄った際、球形の果実をたくさんつけていましたので、写真を追加しました（下の３枚の写真）。
　少し色づき始めたものもありますが、果実は赤く熟した後、黒色になるそうです。今後、観察を続けます。

【モクタチバナ：（原色牧野植物大図鑑から）】
　四国・九州南部から琉球列島に分布する常緑高木。
　高さ３～５ｍ。
　葉は、互生するが，枝先に輪生状に集まることが多い。だ円形で先端はとがる。
　初夏から夏にかけ、枝端と葉えきから、岐散花序を出し，黄白色の小さな花を多数つける。
　花径は、５～６mm。花冠は５枚に分かれ，各片は広卵形で先はとがる。
　果実は、径７～８mmの球形の液果となる。