リンボクは、山中に生える常緑高木ですが、数年前、国富町法華岳公園入り口近くの林の中で、リンボクに似た鋸歯のある葉の木を観察したことがあります。
 
 花も果実もない時期でしたので、名前も確認できず、長い間疑問のままでした。
 花期を待って観察した結果、その木は全く科の違うヤマモガシ(ヤマモガシ科)でしたが…。
 
 出会う機会はないだろうと半ば諦めていたリンボクでしたが、都城市早水公園の中にリンボクの老木があることを最近になって知りました。
 
 花期は、晩秋といいます。
 下見のつもりで、リンボクの木を見上げたところ、驚いたことに、たくさんの白っぽい花房が枝先で揺れ、見事に開花しているではありませんか。
 直前の降雨で、花が少し傷んでいるようですが、幸運にも花真っ盛りのリンボクに出会うことができました。

 高さ数メートルの高木ですので、花を間近に観察することはできませんでしたが、バラ科サクラ属のリンボクの花の様子を何とか撮影することができました。
 
 長年、懸案だったリンボクについては、これで一件落着です。
 果実も、引き続き、観察したいと思います。


 翌2015年、早水公園の整備事業が始まり、観察木のリンボクがほかの場所に臨時的に移植されました。

 久々に台風も襲来し、開花が非常に危惧されたのですが、なんと花がらを残した花序を数個を見つけました。

 たった1つですが、貴重な果実も観察しましたので、写真を追加しました(5段目右側の写真)



【リンボク(原色牧野植物大図鑑から)】
 関東地方以西,四国,九州の暖地の山中に生える常緑高木。高さ5m位。
 若枝は紫褐色,翌年黒みを帯びる。
 葉は、長さ5cm内外,革質で光沢があり,若木の葉縁は長いとげのあるきょ歯をもつ。
 花は、晩秋。
 果実は径6mm,翌年の晩春に熟す。
 和名のリンボクは、本種に誤って漢名のリンボクをあてたことによる。
 別名のヒイラギガシは若木の葉をヒイラギになぞらえ,カタザクラは材が硬いことに基づく。
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DSCN2424c リンボク果実 15.10.14 早水公園
DSCN0519c リンボク 14.10.09 早水公園
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DSCN0514c リンボク 14.10.09 早水公園
リンボク  バラ科 サクラ属  別名 ヒイラギガシ、カタザクラ
DSCN0517c リンボク 14.10.09 早水公園
DSCN0509c リンボク 14.10.09 早水公園
DSCN0499c リンボク 14.10.09 早水公園
DSCN0512c リンボク 14.10.09 早水公園