県内では大変珍しい、『日本在来のカンサイタンポポの群生が清武町安井息軒旧宅庭園で見られる(2008.4.2付け、宮崎日日新聞)。』 というので、早速、撮影に出かけました。
 
 このページのカンサイタンポポの写真は、この時、安井息軒旧宅庭園で撮影したものです。

 上から2段目及び最下段左の写真を見ると、はっきりとわかるように、 「 総苞の内外片の長さが著しく不連続。外片は短少,内片は長さ14mm位でその2倍半…」 という図鑑の説明のとおりです。

  タンポポは、日本人には身近な馴染み深い花ですが、
「タンポポ戦争」といわれるように、日本在来のカントウタンポポやカンサイタンポポなどが、帰化植物のセイヨウタンポポに次第に駆逐され、姿を消しつつあることが問題になっているそうです。

 宮崎でも、シロバナタンポポはよく見かけますが、黄色い花の在来種のタンポポはなかなか見られません。
 シロバナタンポポは、日本在来種のタンポポといわれていますが、個体数は、あまり多くなく、関東地方では少ないそうです。

 日本在来のタンポポとセイヨウタンポポの区別は、花を取り囲んでいる 『萼:がく(二重に取り囲んでいる)』 を観察すると、よくわかります。
 外側の萼片が、さらに外側に反り返るのがセイヨウタンポポ、反り返らないのが日本在来のタンポポとされています。
 これらの区別は、下段の左右各2枚の写真を比べてみると、はっきりとわかります。 

 このような「タンポポ戦争」に因んで、清武町のカンサイタンポポは、大変貴重な標本ですので、ホームページに載せることにしました。

 なお、「タンポポ戦争」については、環境省生物多様性センターのDNA分析の結果、セイヨウタンポポの特徴を持つタンポポの85%が、実際は、カントウタンポポなど在来種との雑種だったことが判明したという調査結果が報じられています(03年11月)。
 どうやら、セイヨウタンポポの一人勝ちでもないようですね。



【カンサイタンポポ(原色牧野植物大図鑑から)】  
 本州近畿地方から琉球列島の草地や道端に多い多年草。
 関東地方のタンポポに比べて、総苞の内外片の長さが著しく不連続。外片は短少,内片は長さ14mm位でその2倍半,ともに角状突起がある。
 葉は、欠刻する場合でも頭大羽裂にならない。
 花は、早春から晩春,頭花は径2.5cm位。
 そう果は、淡黄褐色で7〜9本の縦溝がある。

P1020880-1カンサイタンポポ08.4.2清武町安井息軒旧宅庭

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P1030299-1セイヨウタンポポ08.4.11高鍋湿原

080402-028-1カンサイタンポポ08.4.2清武町安井息軒旧宅庭

P4110251-1セイヨウタンポポ08.4.11高鍋湿原

080402-012-1カンサイタンポポ08.4.2清武町安井息軒旧宅庭

080402-015-1カンサイタンポポ08.4.2清武町安井息軒旧宅庭

P1020890-1カンサイタンポポ08.4.2清武町安井息軒旧宅庭

カンサイタンポポ  キク科 タンポポ属

P1020887-1カンサイタンポポ08.4.2清武町安井息軒旧宅庭