ギョイコウザクラ

　緑色の花を咲かせるギョイコウザクラ（御衣黄桜）の保存活動が宮崎市佐土原町の宝塔山公園で行われているという地元紙の記事（2010年2月）を手掛かりに、2010年3月20日、宝塔山公園に植物散策に出掛けました。

　数年前、ギョイコウザクラに近いウコンザクラを県の総合運動公園で撮影したことがありましたので、緑色を帯びた花びらを思い出しながら探しましたが、なかなか見つかりません。

　幸運なことに、除草作業中の方が公園の管理人に問い合わせていただいたので、移植されたばかりのギョイコウザクラの木に出会うことができました。
　花期は、ソメイヨシノより一週間遅く、まだまだ蕾の状態でしたので、出直すことにしました。

　数日後、小雨の中、宝塔山公園を再訪したところ、薄暗い曇天下の枝先にようやく数輪のギョイコウザクラが蕾を開いているのを確認できました。
　花びらは、確かに緑がかった色をしており、八重咲きのようです（3月25日）。

　翌日、天候の回復を待って、ギョイコウザクラの撮影に出掛けました。
　ウコンザクラよりも緑色が強く、鮮やかな緑黄色の花色をしており、なるほど珍しい桜だな～と思いました（3月26日）。
　
　ちなみに、御衣黄という名前は、江戸時代中期から見られ、その由来は、貴族の衣服の萌黄色に近いために呼ばれ、古くは黄桜、もしくは浅黄桜とも呼ばれていたそうです。

　満開までは、まだまだでしたが、少しずつ開花が進んでいました（3月29日）。

　宮崎市近郊のソメイヨシノが満開間近となった４月に入り、ギョイコウザクラの蕾も、ソメイヨシノを追いかけるように、次々と開花し、ほぼ九分咲きに近い開花状況になりました。
　じっと目を凝らしてみると、真っ先に開花した花でしょうか、浅黄色一色のたくさんの花びらに混じって、早くも赤みを帯びた花も見られます（４月３日）。