フナバラソウは、初夏に開花するとのことでしたので、2009年6〜7月初め、自生地の小林市永田平公園に何回も観察に出掛けましたが、とうとう花を見かけないままでした(最上段の写真)。


 翌2010年は、5月中旬頃から、同公園に何回も足を運びましたが、花はおろか蕾も観察できませんでした。

 同公園でユウスゲの保護活動をしている地元の方に訊ねたところ、その年は、すでに4月に開花したとのことでした(2段目〜5段目左側の4枚の写真)。


 今季こそフナバラソウの花を観察したいとの一念で、2011年は、4月早々観察を開始しました。

 例年にない冷え込みが続いたせいか、今度は、なかなか新芽すら出て来ない状況が続きました。

 5月初めには、フナバラソウが毎年沢山生える一帯が除伐されてしまい、今季も花を観察できそうにないと思いながら、帰路に着きました。


 念のためにもう一度、同公園に足を運んだ5月半ばのことです。
 少し離れた別の草むらで、小さな蕾を葉脇に付けているフナバラソウを1本見つけました(5段目右側と6段目左側の2枚の写真)

 辺りを探してみると、フナバラソウが数株生えてきていました。

 諦めずに一帯を探したところ、ようやく開花し始めたフナバラソウを1本見つけました。
 チョコレート色をした念願のフナバラソウの花です。
 蕾が膨らみ、2輪だけ開花していました。
 草むらの斜面に足を踏ん張り、5弁に見える花を撮影しました(6段目右側〜7段目の3枚の写真)
 
 幸運なことに、公園の遊歩道を引き返しながら、偶然見上げた崖上の草むらの中に、沢山の花を咲かせている2本のフナバラソウを見つけました。
 人の背丈を超える高い所に生えていましたので、撮影に少々苦労しました(8〜9段目の4枚の写真)
 
 その後、何度も足を運びましたが、舟の胴体を思わせる形の果実を観察できていません。 観察を続けます。

 なお、同じ科で、同名異種のロクオンソウは、別ページに掲載しましたので、あわせてご覧ください。


 2015年の夏、早水公園のフナバラソウが、果実をつけていることを 「緑の相談所」 の所長さんから伺いましたので、早速、緑色の袋果の様子を撮影しました。

 袋果は、舟の胴体を連想させる形をしており、まさに和名 (舟腹草) のとおりです。
 1つだけ稔った貴重な果実です(最下段左側の写真)
 なお、翌2016年は、袋果が3個つきました。
そのうちの2個ですが、写真を追加しておきます(最下段右側の写真)
 


【フナバラソウ(原色牧野植物大図鑑から)】
 北海道から九州及び朝鮮半島と中国の温帯に分布し,山野の草地に生える多年草。
 茎は分枝せず、高さ40〜80cm,全体に軟毛を密生する。
 葉は、長さ6〜10cm。
 花は、初夏。花冠は5裂し、裂片は長さ7mm位。  
 袋果は、長さ約7cm。
 和名の舟腹草(ふなばらそう)は、袋果の形を舟の胴体に見立てたもの。別名のロクオンソウは同名異種がある。

R0017814 フナバラソウ 果実 16.06.15 早水公園

R0017662 フナバラソウ 果実 15.08.06 早水公園

R0012479フナバラソウ  花 11.05.15小林市永田平公園

DSCN8113フナバラソウ 花 11.05.15小林市永田平公園

R0012464フナバラソウ  花 11.05.15小林市永田平公園

DSCN8096フナバラソウ  花 11.05.15小林市永田平公園

DSCN8124フナバラソウ 花 11.05.15小林市永田平公園

R0012462フナバラソウ  花 11.05.15小林市永田平公園

DSCN8080フナバラソウ 蕾 11.05.15小林市永田平公園

DSCN2782-1フナバラソウ 10.06.01小林市永田平公園

DSCN3194-1フナバラソウ 10.06.24小林市永田平公園

DSCN2329フナバラソウ 10.05.15小林市永田平公園

フナバラソウ  ガガイモ科 イケマ属  別名 ロクオンソウ
                         国:絶滅危惧U類   県:絶滅危惧U類

R0012473フナバラソウ  花 11.05.15小林市永田平公園

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DSCN8083フナバラソウ 蕾 11.05.15小林市永田平公園

DSCN3188-1フナバラソウ 10.06.24小林市永田平公園

P1130623-3フナバラソウ 09.07.05小林市永田平公園